課長入門

【課長入門】課長とは?仕事内容と求められる役割を理解する

「課長って何をする人なんだろう?」

会社では業務の特色やその会社の企業戦略をもとに、組織を特定のまとまり毎に細分化したピラミッド型組織を構成して企業活動します。

企業規模によって組織を構成する部署の数や階層に差はありますが、細分化した組織を維持・運営するためにそれぞれの組織を管理する管理職(役職者)が存在します。

役職は代表的なもので管理する組織の大きさの順に社長、専務、常務、本部長、部長、課長とあり、課長は現場の最前線で組織管理を担う最初の管理職となります。

この記事で分かること
  • 課長の定義と立場
  • 課長の仕事はマネジメント
  • 課長に求められる役割

課長の定義と立場

課長とは

課長とは、官公庁ないし企業などの組織の部署あるいは一部門としての課の責任者を指す呼称である。一般的には部長、次長に次ぐ職位であり係長ないし班長よりも上席にあたる者をいう。

引用元:wikipedia

管理職と言えば課長職以上であり、労働基準法上の管理監督者となるのも課長になるタイミングが一般的です。

<労働基準法上の管理監督者とは>

労働基準法第41条2号の「監督若しくは管理の地位にある者」に該当し、労働条件の決定その他労務管理について経営者と一体的な立場にある従業員を指します。

近年は管理監督者ではない従業員を課長にする企業も増えています。

課長の下位の役職として係長、主任といった役職を設けている会社もありますが、組織の管理責任は通常課長以上となります。

課長の立場は会社側

管理監督者は経営者に代わって部門や部署を統括する立場です。

労務管理権限、人事評価権限など委譲される権限も大きくなるため、多くの労働組合では管理監督者の所属は認めていません。

労働組合に所属することができない、つまり会社側の人間になるということです。

また、経営者から委ねられる責任も大きくなるため、管理監督者の労働条件は一般社員とは異なります。

管理監督者の労働条件
  • 残業手当や休日出勤手当が付かない
  • 裁量労働制になる
  • 基本給が大幅アップ

管理監督者ではない従業員を管理職としてサービス残業させる「名ばかり管理職」がこれまでに問題になったこともありますが、真っ当な企業では管理監督者の地位に応じた待遇となることが通例です。

課長の仕事内容は5つのマネジメント


課長の仕事は「ヒト・モノ・カネ」に関する以下5つのマネジメントが中心となります。

課長のマネジメント業務
  • 業績管理
  • 就業管理(勤怠管理)
  • 処遇管理(人事評価)
  • 育成管理
  • 職場環境管理

業績管理

課長は自分が担当する課の業績をマネジメントすることが最重要ミッションとなります。

会社全体の経営目標は細分化された組織毎の業績目標の積み上げです。

全社の売上目標は本部(事業部)毎の売上目標の積み上げであり、本部の売上目標は部毎の積み上げ、といった具合にボトムアップで業績目標は構成されています。

本部長は本部の業績をマネジメントし、部長は部の業績をマネジメントします。

どの役職の管理職も自分の管理する部門の業績をマネジメントすることで経営目標の達成に貢献することが経営層から求められます。

<業績とは>

一般的に売上高と利益を指します。上場企業であれば売上高と利益の業績は株価に大きな影響を与えるので経営層から最も重要視される要素となります。

組織は売上・利益を直接的に生み出す事業部門と人事・総務など業績を間接的に支える管理部門で構成されますが、管理部門であればコスト削減や従業員の生産性向上が課長のマネジメントすべき業績に相当します。

就業管理(勤怠管理)

部下の勤怠や就業規律についてのマネジメントは課長の仕事になります。

会社の就業規則を認識した上で、職場規律の乱れやルール違反があれば注意・指導・改善し、職場規律を維持する必要があります。

職場規律を維持することで部下の組織への帰属意識が高まり、健康的に働ける環境に繋がっていきます。

また、労働基準法や36協定を遵守することで法令違反を防ぐことも就業管理の目的となります。

<36協定とは>

労働基準法第36条にもとづく労使協定を36協定といいます。

労働基準法では労働時間は原則として1日8時間、1週40時間以内とされています。(法定労働時間)

法定労働時間を超えて時間外労働(残業)をさせる場合には予め36協定を締結し、所轄労働基準監督署長への届け出が必要です。

36協定では「時間外労働を行う業務の種類」、「1日、1ヶ月、1年あたりの時間外労働の上限」などを決める必要があります。

※2019年4月より36協定で定める時間外労働に罰則付き上限が設けられ、特別の事情が無い限り「月45時間、年360時間」が時間外労働の上限となりました。

違反した場合は企業だけでなく労務管理を担当する管理職も罰則の対象となるので注意が必要です。

処遇管理(人事評価)

課長の責務の中でも重要なものとして「評価」があります。

評価結果によって部下の賞与や待遇はもちろんのこと、今後のキャリアにまで影響を及ぼしかねないため、厳正で公正な評価をマネジメントする必要があります。

評価時期の一時的な印象で評価するのではなく、部下の取り組みのプロセスを事実として積み上げ、評価期間全体を適正に評価することが重要です。

評価の際の注意事項として、ハロー効果や寛大化傾向・厳格化傾向、中心化傾向が挙げられます。

<ハロー効果とは>

何かひとつ良いと感じた場合に他の全ても良く見えてしまう傾向のことです。

何もかも悪く見えてしまうネガティブなハロー効果もあります。

<寛大化傾向・厳格化傾向とは>

寛大化傾向は評価が甘くなる傾向、厳格化傾向は評価が厳しくなる傾向です。

評価対象者の業務内容に精通していなければ寛大化傾向、精通していれば厳格化傾向に陥りやすいです。

評価対象者からよく思われたい意識が働いた場合にも寛大化傾向になりがちです。

<中心化傾向とは>

どちらともいえない、とほぼ中心に偏る評価の傾向です。

評価対象者の業務をあまり理解していない場合や、評価の仕組み自体を理解していない場合に起こりやすいです。

評価対象者毎の差をつけたいがあまり、極端に差がある評価をすることを極端化傾向と言います。

育成管理

企業活動における「ヒト・モノ・カネ」で最も重要なのはヒトです。

ヒトを育てる人材育成は課長としての重要な責務です。

OJTやOff-JT、SDなどの手法を使った計画的な指導・育成や、業務を通じたマネジメントによる指導・育成がポイントになります。

どちらにおいても育成に必要なのは「コミュニケーション」です。

部下に対する期待を伝え、成長するための動機づけを行っていくことが育成に繋がります。

<OJTとは>

On the Job Trainingの略。

トレーナーの指導を受けながら職場で業務を学ぶ方法のことです。

新入社員対象のOJTであればトレーナーがマンツーマンでトレーナーが指導することが一般的です。

<Off-JTとは>

Off the Job Trainingの略。

職場外で行われるトレーニングを指します。

外部研修やセミナーの形で実施する企業が多いです。

ビジネススキルや業務特化スキルの研修、階層別研修など、外部研修会社のメニューは豊富にあります。

<SDとは>

Self Developmentの略。

自己啓発による学習のことです。

資格取得やeラーニングなど、部下の目標設定時にSDの内容を合意することで学習促進に効果的です。

職場環境管理

組織目標を達成するためには部下一人ひとりが効率よく業務を遂行することが必要です。

そのため、課長には部下が快適に健全に、生き生きと働くことができる環境を提供することが求められます。

職場環境の定義
  • オフィス環境
  • 人間関係
  • 業務量・業務内容
  • 自己裁量権

オフィス環境

作業場所の衛生面や明るさ・温度等について部下が不快に感じないようにします。

気になる点があれば管理部門に連絡して改善してもらい、快適な環境を維持するよう心がけます。

人間関係

ストレス原因の大半は人間関係です。

部下の様子に気を配り、定期的にコミュニケーションをとることで人間関係によるストレスサインを見逃さないようにします。

人間関係が良好ではない兆しを発見した場合、問題が大きくなる前にすぐに行動に移す必要があります。

業務量・業務内容

仕事の量や難易度が部下に合っていない場合、メンタルヘルスに影響を及ぼすきっかけになるので注意が必要です。

過剰な量の仕事や高難易度の仕事は時間外労働の増加となって現れることが多いため、日々の勤怠管理と業務を紐づけて状況を把握するようにします。

また仕事の量が少なすぎたり、簡単な業務である場合はモチベーションが下がる要因になり得るため、特定の部下に仕事が偏らないようなマネジメントが大切です。

自己裁量権

業務内容について部下自身の裁量が無い、または過剰な場合も大きなストレスとなります。

部下の性格やスキル、経験を考慮して適切な裁量を与えるように働きかけることが重要です。

<テレワークにおける職場環境の変化>

新型コロナウイルスの流行によって働き方は大きく変化しました。

職場環境はオフィスから自宅でのテレワークにシフトし、打ち合わせはオンライン会議が当たり前になりました。

これまでは職場で部下の様子を感じとることで容易に職場環境の変化を捉えることができましたが、テレワーク主体の働き方では変化を捉えることが大変難しくなっています。

職場環境管理はウィズコロナ時代の課長に求められる重要な課題です。

課長に求められる3つの役割

組織成果の現場責任者

実務が伴うプレイングマネージャーとして働かざるを得ない課長も沢山いますが、課長の本業はマネージャーであり、課という組織での成果を挙げる責任があります。

組織成果は売上・利益といった直接的な業績成果だけでなく、業務プロセスの改善、部下のパフォーマンス向上、関係各所との関係性構築、組織風土の醸成など多岐に渡ります。

課長は組織成果を挙げるためにマネジメント業務に注力することに加え、責任者として時には経営層に状況を説明し、時には部下の盾となり社内交渉・社外交渉するといった役割が求められます。

次代の人材育成

企業活動を継続するうえで次代の人材がいないことは会社にとって死活問題です。

社会情勢の変化やビジネスの発展・縮小、人材の離職によって2年後・3年後に今の人材で対処できる保証はありません。

若手人材であればキーマンとなる人材に育てる、キーマンの人材であれば次の課長候補に育てることを会社は課長に求めています。

育った人材は将来自分を助けてくれる存在にもなりますので、人材育成に力を入れることは重要な課長の役目となります。

仕事の創出・変革

短期的な成果を挙げるだけではなく、将来に繋がる仕事を創出・変革することも重要な要素です。

新規サービスや新商品を立ち上げる、また既存業務プロセスを変革することで企業活動継続の大きく貢献することになります。

経営層から非常に評価されるポイントでもあるので、課長として是非取り組むべきテーマです。

まとめ

課長には経営戦略を理解した上で、自部門の部門戦略を策定し、様々な目標を達成することが求められます。

目標達成のためには自部門の組織を統制し、職場環境・組織風土を醸成し、部下を育成することが必要となります。

これらを実現するためには部下の協力が不可欠なため、如何にして部下のパフォーマンスを向上させられるかが、課長としての腕の見せ所になります。

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